子供のケアも大切にするスウェーデン

Byスウェーデン在住:ダールマン容子

早いもので、2020年も半年が過ぎました。今年は本当にコロナウィルスでありとあらゆる生活が変わってしまいましたね。

私たちのスウェーデンハンドセラピーの講座開催も、残念ながら少し時間をおくことになりました。それでもきっといつか、皆さんとお会いし、一緒にハンドセラピーの勉強ができるようになる日を楽しみにしています。

さて、私が暮らすスウェーデンでは、「ゆるいコロナウィルス感染防止対策」が行われているということで、世界中から注目を集めています。

スウェーデンのコロナウィルス感染防止対策の実態については、私が運営している別のブログにも少しまとめていますので、もしご興味がありましたらどうぞご覧ください。

リンク:ソピバ北欧通信:スウェーデン情報

実際、多くの人は自宅勤務をするようになりましたが(もともとリモートワークがしやすい仕事環境がスウェーデンにはあるという前提ですが)、子供の保育園や学校が通常通りということが、私のような子育て世代には大きな助けになっています。

共働きが中心のスウェーデンでは、学校を休校することの社会に対する影響が非常に大きく、そのことが休校をしない理由の一つになっているとも言われています。

スウェーデンの充実した心のケア

スウェーデンのコロナ感染防止対策をみていて思うところは色々とあるのですが、一つ私がとても感心していることは、「心のケア」です。

3月にコロナウィルス感染の拡大が始まってから、いろいろなコロナウィルス感染に関する情報がテレビやニュースなどでも取り上げられるようになりました。医療従事者やスウェーデンのコロナ対策の指揮をとる公衆衛生庁、政治家や疫病学の研究者などさまざまな専門家たちがコメンテーターとして主演し、さまざまな意見を述べています。

それと合わせて、ニュース番組に多く出演するのを見かけるのは心理学者や精神科医です。そういった人たちが、国民に対しての心のケアを行っているのです。

3/10の記者会見でのストックホルム市の危機災害心理学者

こちらの動画は、3/10に行われた記者会見です。ストックホルム市の危機災害心理学の専門家が、不安について、ウィルスについての質問にわかりやすく答えている様子が見られます。

https://www.youtube.com/watch?v=wLukpQ7fSlI&feature=youtu.be&fbclid=IwAR2h_4T5ySuIUId-b5AOxFR4qOfwMXdUrh-sPWP3wcfoC593g-X5zkOe2Gc

(※動画はスウェーデン語のみで日本語字幕はありません。こちらのブログの下の方に全訳を掲載します。)

一般的な不安について。どうして私たちはウィルスを不安に感じるのか。どういう症状が出るのか。子供にはどう話したらよいかなどを、わかりやすい言葉でアドバイスしています。

この会見でこの専門家が「不安に思うのは当然のことです」「あなただけではなく、今は皆が不安に思っているのです」と断言してくれたことで救われた人はきっと多いと思います。

子供のケアも大切に

私がこの会見で特に注目したのは、「子供たちにどんな風に話したらよいか」というアドバイスです。

「子どもや若者のことを忘れてはいけません。子供たちにも、私たち大人と同じように情報や安心を得る権利があります。」

という一言でわかるように、スウェーデンの人たちは、子供を子供扱いするのではなく、「子供には大人と同じ権利がある」と考えています。

これは今回のコロナウィルスだけではなく、常に大切にされていることです。

このような子供を大人と対等な存在として扱うことが、スウェーデンの小さな環境活動家、グレタ・トゥンベリーさんのように自分の意見をしっかりともち、立場の違いを恐れることなくしっかりと伝えることができる大人を作るのではないかと思います。

今は不安、不便が多い日々ですが、どうぞ皆さま、お身体お気を付けて。

きっといつか、お会いできる日を楽しみにしています。

記者会見の全訳:

●不安について

私たちはいろいろなことに反応し、その不安の感じ方は個人個人異なります。それは自然で普通の反応なんです。

●どうしてウィルスは不安を感じされるの?

ウィルスは見ることも匂うことも触ることもできません。そのためそれが手に負えないと感じ余計に怖く感じます。
しかもまだ危険かどうかもよくわからず、それが余計に恐怖を生み出します。

重要なのは、この恐怖は妥当なものだと理解すること。この恐怖を感じる本能が、昔も今も私たちを守ってきました。これは予期せぬ事態に備えるために大切なことです。」

●どんな症状がみられるか。

神経質になったり不安になります。腹痛や頭痛など体に症状が出る場合もあります。異常におしゃべりになったり、家の中に閉じこもって外に出たくなくなったりもします。

●どのように助け合えばよいでしょうか。

重要なことは、自分の頭の中にある考えや恐怖、不安を共有すること。話しあうことに危険はありません。共有することで、自分ひとりが不安なわけではなく、皆が同じように感じているとわかります。

●コロナについて、子どもにはどんな風に話したらいいでしょうか。

子どもや若者のことを忘れてはいけません。子供たちにも、私たち大人と同じように情報や安心を得る権利があります。

重要なことは、子どもたちの質問に耳を傾けること。どんなことを考えているか?テレビやインターネットなどで見たことをどう考えているのか?または学校でお友達が話していることを聞いてどう思ったか。

ゆっくり時間をとって、子どもたちの考えをしっかりと聞いてください。また、子どもはだれでも言葉に出して質問してくるわけではなく、例えば遊びや書いたもの中にその考えが表れることもありますので、注意深く観察してください。大人だって自分の中にあるものを表現する方法は、それぞれ異なるのです。

●どうやって自分自身の不安を和らげ、子どもが抱く不安に向き合うことが出来ますか。

ウィルスや細菌という問題については、信頼できる情報源があります。正しく事実に基づいた情報、それも誰もが理解できるように簡単に書かれた情報は、恐怖を落ち着かせてくれます。保護者として子どもの不安や恐怖に向き合うのには必要なことです。

ただ、自分がとても不安でも、子どもたちも同じように不安を感じるとは限りません。逆に全く不安を感じていないこともあります。あなたがもしウィルスへの恐怖で頭がいっぱいだとしても、子どもたちが心配しているのは、次の水泳の時間に泳げないかもしれない、ということだけかもしれません。

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