スウェーデンハンドセラピー体験日記 Day2

こんにちは、ダールマン容子です。

 

⚫︎スウェーデンの夏休み

 

前回のブログから夏休みに入ってしまい、すっかりご無沙汰してしまいました。
スウェーデンでは、保育園や学校は6月中旬から8月中旬の約8週間が夏休み。
大人もそれに合わせて4-6週間の夏休みをとる人が多いです。

 

大人の夏休みが…4-6週間!!

 

驚きの長さですよね。
多くのスウェーデン人はそんな夏休みを「Sommarstuga/ソンマルステューガ」と呼ばれる別荘(サマーハウス)で過ごします。「別荘」というと豪華で高級なイメージがありますが、スウェーデンのサマーハウスはむしろ真逆。水洗トイレがないなんて当たり前。
場合によっては水道が通っていない、電気も通っていない…など、簡易的なものが多いのです。

 

それでも、そんな簡素で不便な生活を通し、自然を近くに感じるのを楽しむ。またそんな「不便、でも自然な暮らし」を小さいころから子供たちに体験させるのが大切。
それがスウェーデン流の考え方です。

 

写真:サマーハウス

 

このようなスウェーデンの暮らしについては、私が運営しているネットショップのブログでも詳しくご紹介していますので、よろしかったらご覧くださいね。

 

スウェーデンの夏に関するブログ記事へのリンク:

 

幸せな暮らしスウェーデン。あこがれの長期夏休みの裏に隠された真実とは・・・

不便すぎる生活を喜ぶスウェーデン人のなぞ、その真相は…

 

⚫︎ハンドセラピー講座、2日目

 

さて、では気を改めて、先日受講したスウェーデンハンドセラピー/タクティールマッサージ講座の2日目の様子をご報告します。

 

(1日目の様子についてはこちらのページをご覧ください)

 

朝9時に「桟橋」で集合。2日目ということもあり、皆少し打ち解けた様子でおしゃべりしながら会場に移動します。

 

写真:2日目

 

2日目の実技講義は、ハンドの復習に続き脱衣の状態の背中と足のセラピーです。
その実技の練習に入る前に少し講義の授業もありました。

 

⚫︎スウェーデンスタイルの講義は

 

スウェーデンでは、小中学校や高校、また高等教育である大学などの教育現場は「話し合い」「意見を交換する」、そこから「答えを見つけよう」というスタイルが主流です。
つまり、日本のように教室で前に立った先生が教える授業内容を静かに聞いて板書し、覚えるというスタイルは珍しいのです。

 

そのせいか、スウェーデンの職場での打ち合わせや講義の際でも「話し合い」「意見を交換」というスタイルが多いことに気づきます。

 

写真:仕事

 

このハンドセラピー講義でも1日目からそのようなスタイルでのレクチャーが行われました。
2日目のテーマは「ストレス」です。
二人ずつでペアになり、「ストレス」ついて話し合います。
例えば「自分はどんな時にストレスを感じるか」。また「そのストレスを和らげるために自分は何をするか」など。
その後、各ペアが話し合った内容を簡単に発表し、またそれについて話し合います。

 

このようなやり方だと、自分たちの実体験に基づいて考えるので、テーマについての理解がより深まります。
また、受け身となって講義を聞くのではなく積極的に意見を交換し合うことで、講義の内容が自分の中に定着しやすいように感じました。

 

⚫︎「フィーカ」にみるスウェーデン文化

 

その後実技の練習を行い、最後は皆で「フィーカ」(お茶)で締めくくり。

 

スウェーデン人の「フィーカ」好きは有名です。スウェーデン語の「フィーカ(Fika)」は「お茶をする」という意味の言葉ですが、例えば多くの職場では1日2回「フィーカの時間」が決められていたり(大体10時と2時など)、「フィーカをする部屋」があったり、「フィーカ」用の菓子パンやフルーツが会社負担で常に用意されていたりします。

 

写真:フィーカ

 

フィーカはただ単にスウェーデン人がコーヒー好きだから普及した文化なのでしょうか。私はフィーカにはもっと深い文化があると考えています。

 

先ほど述べた参加型の講義スタイルからもわかるように、スウェーデンでは学びや仕事の現場において「話し合い」「意見交換」「仲間意識」「協力」が重要な位置を占めています。

 

さらにその中でも最重要なポイントは

 

「相手の意見や考えを尊重する」

 

ということです。

 

例え自分は相手の意見や考えに賛同できなくても、その意見を尊重することが求められます。
それは小さなころから様々な場で訓練されているため、大人になったスウェーデン人は自然に他者を尊重することができるようになるのです。

 

そんな他者を尊重する姿勢は、スウェーデンの介護や医療の現場でも活かされていると思います。

 

⚫︎硬く汚れた殻の中には

 

そのフィーカの時間に、先生が「自分の宝物」という「石」を見せてくれました。
それはごつごつとした硬い、グレーの汚れた石です。

 

しかしその石を開くと、中は驚くほど美しく、輝く水晶になっていました。

 

写真:石

 

「どんなに硬く汚れて見えても、その中には必ず美しいものがある」

 

この石は、自分にそれを思い出させてくれるということで宝物にしているそうです。
そしてそれは介護や医療の現場で仕事をする中で、忘れてはいけない考えだと教えてくれました。

 


 

さて、ハンドセラピーとは関係ない話も多い私のブログですが、今回のハンドセラピー講座ではセラピーという実務的な技術以外にも、たくさんの学びを得ることができました。
これから少しずつ実際にハンドセラピーが行われている現場の様子を視察したり、また自分でも施術を行ったりする中で、ハンドセラピーやスウェーデンの介護、看護に関する理解を深めていきたいと思います。

 

今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました!

 

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